ミック・ジャクソン
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幽の書評VOL.30(終) ジョージ・ソーンダーズ『リンカーンとさまよえる霊魂たち』、ヘレン・マクロイ『牧神の影』、ミック・ジャクソン『こうしてイギリスから熊がいなくなりました』
死者の声なき声が生者を包みこみ、心を揺り動かす 南北戦争のさなかである一八六二年二月、エイブラハム・リンカーンは最愛の息子ウィリーを喪った。わずか十一年でこの世を去った長男の思い出に浸るため、大統領は納骨堂を訪れる。彼は気づかなかったが、その様子を見つめる者たちがいた。ウィリーの先住者、肉体は失ったものの地上から去ることのできない、幽霊たちであ...