小佐田定雄
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杉江松恋不善閑居 蛸地蔵・東雲舎と真山隼人独演会「暗闇の丑松」
某月某日 京阪行二日目の続き。 泉佐野のオケフサを出て、また大阪に戻る。ただ、その途中で一軒だけ寄らなければならない。各駅停車で数駅、岸和田手前の蛸地蔵で降りる。駅前にたこ焼き屋など、普通の店がぽつぽつ並ぶ感じのいい商店街がある。それを海方向へ、北西向きに歩いていく。わずか数百メートルの間にいくつもたこ焼き屋があるのが泉南らしさを感じさせる。 ...
芸人本書く列伝classic vol.27 笑福亭鶴瓶・桂南光・桂文珍・桂ざこば・桂福團治・笑福亭仁鶴・小佐田定雄編『青春の上方落語』
私が最初に聴いた上方落語は、当代(三代目)桂米朝のそれだった。NHKのテレビで観たはずで、たしか演目は「鹿政談」だった。奉行の裁きの場面に迫力があり、子供心に「すごいおじさんだなあ」と思った記憶がある(関西弁のおっちゃん、ないしはおっさんという言い方は、まだ東京に入っていなかった)。 こうして明確に覚えているのは、逆にそれだけ上方落語を聴いてい...
芸人本書く列伝classic vol.22 小佐田定雄『枝雀らくごの舞台裏』
二代目桂枝雀が1999年4月19日に亡くなってから14年経っていた。 「もう」でもあり、「まだ」でもある。私にとって上方落語はそんなに近いものではないので、肌の感覚で歳月を感じることができないからだ。 それでも感慨は、ある。私の世代の関東人は、枝雀の東進を驚きとともに受け止めた世代である。後に麻原彰晃が得意気にやってみせた座った姿勢からの...