津本陽 一覧

小説の問題vol.24 「信濃の山から生まれ、山に帰る小説」津本陽『真田任侠記』&出久根達郎『紙の爆弾』

険しい山肌に囲まれた摺り鉢の底のような河原。藍碧の空の下、二人の男たちが腰を下ろして会話を交わしている。 誰あろう、信州上田城主真田昌幸の家来、猿飛佐助と霧隠才蔵である。主君昌幸は、今まさに出陣せんというところ。相手は名将徳川家康の軍勢七千余騎。兵数わずか二千の真田勢にとっては一大事である。しかし-- 「徳川の奴輩は平地のはたらきをい...

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